火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第62号
令和4年7月23日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 桜島では、山体膨張を示すわずかな地殻変動が観測されています。南岳山
頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕
流を伴う噴火が発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、18日09時頃から島内に設置している傾斜計及び伸縮計で、
山体膨張を示すわずかな地殻変動が観測されています。20日15時頃から
その変化は概ね停滞していますが、山体が膨張した状態は現在も続いていま
す。

 南岳山頂火口では、昨日(22日)から本日(23日)15時までに噴火
が3回発生し、噴煙が最高で火口縁上1200mまで上がりましたが、山体
膨張は解消されていません。

 昨日、実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あ
たり1900トン(速報値)(前回7月13日、1400トン)と、やや多
い状態でした。
  
 18日からの山体膨張が一度に解消されるような噴火が発生すると、多量
の噴煙を伴った噴火や、やや規模の大きな爆発となる可能性があります。今
後の情報に留意してください。

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、24日(日)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。