火山名 御嶽山 火山の状況に関する解説情報 第55号
令和4年6月23日14時10分 気象庁

**(見出し)**
<噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)が継続>
 剣ヶ峰南西斜面の地獄谷火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火の
可能性は低くなりました。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 御嶽山では、2月23日に火山性地震が増加し、火山性微動とともに地獄
谷付近の隆起を示唆する地殻変動も観測されました。その後も、火山性地震
及び火山性微動が増減を繰り返しながら発生していましたが、3月中旬以降
、地震活動は低調に経過し、火山性微動は3月19日以降観測されていませ
ん。GNSS連続観測では、2月下旬以降、山体膨張を示すと考えられる変
化が認められていましたが、4月以降は停滞しています。また、6月4日に
実施した現地調査では、剣ヶ峰山頂付近の噴煙や火山ガスの状況に特段の変
化は認められませんでした。
 火山活動は静穏な状態に戻る傾向にあり、剣ヶ峰南西斜面の地獄谷火口か
ら概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性は低くなっています。この
ため、本日(23日)14時00分に噴火予報を発表し、噴火警戒レベルを
2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)に引き下げました。
 ただし、地獄谷火口内では、火山灰等の噴出が突発的に発生する可能性が
あります。また、2月23日のような火山活動は今後も起こる可能性があり
ますので、火山活動の推移に注意してください。

2.防災上の警戒事項等
 地獄谷火口内では、突発的な火山灰等の噴出に注意が必要です。
 地元自治体等が行う立入規制等に従い、また、登山する際はヘルメットを
持参するなどの安全対策をしてください。

 噴火警報の解除に伴い、今回の一連の火山の状況に関する解説情報の発表
はこれで終了します。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。