火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第27号
令和4年5月16日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 5月13日から16日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします。
新燃岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、火口直下を震源とする火山性地震は、やや多い状態で経過し
ています。
 13日に、振幅の小さな継続時間の短い火山性微動が発生しました。新燃
岳で火山性微動が発生したのは3月28日以来です。なお、この火山性微動
に伴う傾斜変動は、認められませんでした。
 
 新燃岳西側斜面割れ目付近では、2022年2月に入り地熱域のわずかな
拡大が認められるものの、その後の観測では新燃岳火口内及び西側斜面の割
れ目付近の噴気及び地熱域の状況に特段の変化は認められません。
 
 GNSS連続観測では、昨年(2021年)12月頃から、霧島山を挟む
基線において、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考えられるわず
かな伸びが認められます。
 
 火山性地震がやや多い状態であり、火山活動が高まった状態となっていま
す。今後の情報に注意してください。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕
流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概
ね2kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、20日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。