火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第13号 令和4年3月28日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 新燃岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する 大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 新燃岳では、昨日(27日)から火口直下を震源とする火山性地震が増加 し、多い状態となっています。火山性微動は観測されていません。 本日(28日)、気象庁機動調査班(JMA-MOT)が新湯温泉付近及 び高原町から実施した現地調査では、3月4日の状況と比べ特段の変化は認 められませんでした。また、山麓で実施した現地調査では、火山ガス(二酸 化硫黄)の放出量は検出限界未満(前回3月4日、検出限界未満)でした。 監視カメラでは、新燃岳火口内及び西側斜面の割れ目付近の噴気及び地熱 域の状況に特段の変化は認められません。なお、西側斜面割れ目付近では、 2022年2月に入り地熱域のわずかな拡大が認められます。 傾斜計の観測データに特段の変化は認められません。 GNSS連続観測では、昨年(2021年)12月頃から、霧島山を挟む 一部の基線において、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考えられ るわずかな伸びが認められます。 火山性地震が増加し多い状態であり、火山活動が高まった状態となってい ます。今後の情報に注意してください。 2.防災上の警戒事項等 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕 流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概 ね2kmの範囲では警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、4月1日(金)16時頃に発表の予 定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。