火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第18号
令和4年3月25日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 3月18日から25日15時までの阿蘇山の活動状況をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 阿蘇山では、火山性微動の振幅は中岳西山腹観測点南北動成分の1分間平
均振幅で1マイクロメートル毎秒程度と小さな状態で推移しています。
 
 中岳第一火口では、白色の噴煙が最高で火口縁上600mまで上がりまし
た。
 
 昨日(24日)火口付近で実施した現地調査では、前回(2021年10
月12日)と比較して、中岳第一火口底の一部が深くなっていました。また
、湯だまりの量は火口底の4割で、前回より増加していることを確認しまし
た。
 
 本日(25日)山麓で実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の
1日あたりの放出量は、1600トンとやや多い状態でした。
 
 京都大学本堂トンネル観測点の伸縮計では、2月27日から縮みの変化が
認められており、その変化は緩やかになりながら継続しています。
 
 GNSS連続観測では、2021年9月頃からみられていた草千里付近の
深部にあるマグマだまりの膨張を示すと考えられる基線の伸びは、12月頃
から停滞しています。
 
 阿蘇山では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が2021年10月の噴火
以前よりも多い状態が継続していることから、中岳第一火口から概ね1km
の範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。また、火山ガスに注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、4月1日(金)16時頃に発表の予
定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。