火山名　阿蘇山　火山の状況に関する解説情報　第１５号
令和４年３月１１日１６時００分　福岡管区気象台

＊＊（見出し）＊＊
＜火口周辺警報（噴火警戒レベル３、入山規制）が継続＞
　３月７日から１１日１５時までの阿蘇山の活動状況をお知らせします。

＊＊（本　文）＊＊
１．火山活動の状況
　阿蘇山では、火山性微動の振幅は２月２７日１５時４０分頃に大きな状態
から急激に減少した後、中岳西山腹観測点南北動成分の１分間平均振幅で１
マイクロメートル毎秒程度と小さな状態で推移しています。
　
　中岳第一火口では、３月７日から本日（１１日）１５時までに、白色の噴
煙が最高で火口縁上６００ｍまで上がりました。

　８日及び昨日（１０日）に山麓で実施した現地調査では、火山ガス（二酸
化硫黄）の１日あたりの放出量は、それぞれ１３００トン、９００トンと２
０２１年１０月の噴火以前よりも多い状態が継続しています。
　
　京都大学本堂トンネル観測点の伸縮計では、２月２７日から中岳火口浅部
の膨張を示すと考えられる変動が観測されています。
　
　ＧＮＳＳ連続観測では、２０２１年９月頃からみられていた草千里付近の
深部にあるマグマだまりの膨張を示すと考えられる基線の伸びは、１２月頃
から停滞しています。
　
　阿蘇山では、火山性微動の振幅が一時的に増大するなど、火山活動に変化
がみとめられていることから、中岳第一火口から概ね２ｋｍの範囲に影響を
及ぼす噴火が発生する可能性があります。

２．防災上の警戒事項等
　中岳第一火口から概ね２ｋｍの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
　風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。また、火山ガスに注意してください。
　地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

　次の火山の状況に関する解説情報は、１４日（月）１６時頃に発表の予定
です。
　なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。