火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第14号
令和4年2月18日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 2月14日から18日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南
岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な
火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 南岳山頂火口では、15日15時40分に噴火が発生し、噴煙が火口縁上
1300mまで上がり、雲に入りました。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。噴火に伴う火山性微動が発生
しました。
 
 昨日(17日)、実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出
量は1日あたり1200トン(前回2月7日、700トン)とやや多い状態
でした。
 
 島内に設置している傾斜計及び伸縮計では、1月22日頃から山体膨張を
示す緩やかな地殻変動が観測されています。
 
 GNSS連続観測では、昨年(2021年)10月頃から、姶良カルデラ
(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張を示す基線の伸びが認められています。
 
 桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわ
たり蓄積した状態であり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量はやや多い状態
で経過しています。また、山体膨張を示す緩やかな地殻変動が観測されてい
ることから、現在噴火活動がみられている南岳山頂火口を中心に、噴火活動
がさらに活発化する可能性がありますので、今後の火山情報に注意してくだ
さい。
 
 火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり
、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震  爆発
  2月14日        3回  0回
    15日        1回  0回
    16日        0回  0回
    17日        1回  0回
    18日15時まで   1回  0回

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、21日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。