火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第111号
令和3年12月17日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 12月13日から17日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。
南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模
な火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 南岳山頂火口では、ごく小規模な噴火が時々発生しました。
 また、同火口では、夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていま
せん。

 13日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日
あたり1200トン(前回11月26日、1200トン)とやや多い状態で
した。
 
 島内に設置している傾斜計及び伸縮計では、11月に入り山体膨張を示す
ごくわずかな地殻変動が観測されています。
 
 GNSS連続観測では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張
を示す基線の伸びは、2021年6月頃から停滞しています。
 
 桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわ
たり蓄積した状態であり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量はやや多い状態
で経過しています。また、山体膨張を示すごくわずかな地殻変動が引き続き
観測されていることから、現在噴火活動がみられている南岳山頂火口を中心
に、噴火活動が再び活発化するおそれがありますので、今後の火山情報に注
意してください。
 
 火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり
、精査の結果、後日変更することがあります。
 
             火山性地震  爆発
  12月13日        3回  0回
     14日        5回  0回
     15日       13回  0回
     16日        2回  0回
     17日15時まで   1回  0回

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、20日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。