火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第80号
令和3年9月16日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 桜島では、山体膨張を示すわずかな地殻変動が引き続き観測されています
。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規
模な火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、13日03時頃から島内に設置している傾斜計及び伸縮計で、
山体膨張を示すわずかな地殻変動が観測されており、現在も続いています。
 
 この山体膨張が一度に解消されるような噴火が発生すると、2018年6
月16日の南岳山頂火口における噴火のように、多量の降灰及び小規模な火
砕流を伴う可能性があります。また、やや規模の大きな爆発が発生し、火口
から1kmを超えて大きな噴石が飛散する可能性もあります。
 
 昨日(15日)、実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出
量は1日あたり700トン(前回2日、900トン)とやや少ない状態でし
た。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しており、火山性微動は観測されておりま
せん。
 
 桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわ
たり蓄積した状態であり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は2020年9
月下旬以降概ね多い状態が続いています。南岳山頂火口を中心に、噴火活動
が再び活発化するおそれがありますので、今後の火山情報に注意してくださ
い。

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、17日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。