火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第122号
令和2年12月27日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 新燃岳では、12月18日から火山性地震が増加しており、火山活動が高
まった状態が継続しています。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、12月18日から火口直下を震源とする火山性地震が増加し
、24日は64回、25日は56回、昨日(26日)は27回、本日(27
日)は15時までに2回と減少傾向となっていますが、多い状態が継続して
います。火山性微動は観測されていません。

 噴煙の状況や傾斜計の観測データに特段の変化は認められません。

 GNSS連続観測では、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示す基線で
、昨年7月頃から縮みが続いていましたが、今年11月頃から停滞傾向とな
っています。

 火山性地震が多い状態であることから、火山活動が高まった状態となって
います。今後の情報に注意してください。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕
流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概
ね2kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、28日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。