火山名 浅間山 火山の状況に関する解説情報 第70号
令和2年12月7日16時15分 気象庁

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 浅間山の山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う大きな噴石や火
砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 浅間山では山体浅部を震源とする火山性地震が増減を繰り返しながら引き
続き発生しています。また、振幅の小さな火山性微動が発生しています。
 噴煙の状況は、白色の噴煙が火口縁上200m以下で推移しています。
 本日(7日)に実施した火山ガス観測では、火山ガス(二酸化硫黄)の放
出量は1日あたり400トン(前回11月30日、1200トン)でした。
噴煙量、火山ガス放出量ともに6月以前と比べ増加した状態で経過していま
す。
 浅間山では火山活動が高まっており、今後、山頂火口から概ね2km以内
に影響を及ぼす小噴火が発生する可能性があります。
 山頂の南側に設置した傾斜計において、6月頃から浅間山西側の膨張を示
すと考えられる変化がみられましたが、8月中旬にはほぼ停滞しました。1
0月頃から再びわずかながらも同様の変化がみられましたが、11月下旬に
は認められなくなっています。なお、GNSS連続観測では、西側を挟む一
部の基線でみられていた伸びの変化は8月頃から引き続きほぼ停滞していま
す。

2.防災上の警戒事項等
 山頂火口から概ね2kmの範囲では、引き続き弾道を描いて飛散する大き
な噴石や火砕流に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な地
域には立ち入らないでください。
 噴火時には、風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降る
おそれがあるため注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、11日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。