火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第99号
令和2年10月12日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 10月9日から12日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、火口直下を震源とする火山性地震が8日から増加していまし
たが、10日以降減少しています。火山性微動は観測されていません。
 
 新燃岳火口では、白色の噴煙が最高で火口縁上80mまで上がりました。
 
 火山性地震の回数は2019年11月以降増減を繰り返しています。また
、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が2020年4月に増加し、その後も同
程度の放出量が維持されています。火口西側斜面の割れ目において噴気や地
熱域が認められています。これらのことから、火山活動がわずかに高まった
状態となっています。今後の火山情報に注意してください。
 
 火口直下を震源とする火山性地震の回数は以下のとおりです。なお、回数
は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震
 10月 9日       36回
    10日        9回
    11日        4回
    12日15時まで   1回

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕
流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概
ね2kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、16日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。