火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第87号
令和2年9月17日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 新燃岳では、昨日(16日)から火山性地震が増加し、多い状態が継続し
ており、火山活動が高まった状態となっています。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、火口直下を震源とする火山性地震が昨日(16日)から増加
し、多い状態が継続しています。火山性微動は観測されていません。地殻変
動観測に特段の変化はみられていないことから、現在のところ規模の大きな
噴火の可能性は低いと考えられます。

 新燃岳火口では、昨日から本日(17日)にかけて、白色の噴煙が最高で
火口縁上40mまで上がりました。
 
 火山性地震の回数は2019年11月以降増減を繰り返しながら多い状態
となっています。また、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量の増加や、火口西
側斜面の割れ目において噴気や地熱域が認められるなど、火山活動が高まっ
た状態となっています。今後の火山情報に注意してください。
 
 火口直下を震源とする火山性地震の回数は以下のとおりです。なお、回数
は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震
  9月15日       16回
    16日      127回
    17日15時まで 136回

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕
流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概
ね2kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、18日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。