火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第71号
令和2年8月10日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 8月7日から10日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、火山活動のわずかに高まった状態が継続しています。
 
 新燃岳火口では、白色の噴煙が火口縁上50m以下で経過しました。

 火口直下を震源とする火山性地震は、概ね多い状態で経過しています。火
山性微動は観測されていません。
 
 7日に山麓で実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が
1日あたり100トン(前回、7月1日、300トン)と引き続き観測され
ています。また、新湯温泉付近から実施した調査では、火口西側斜面の割れ
目付近で引き続き噴気や地熱域を確認しました。
 
 地殻変動観測では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。
 
 火山性地震の回数は2019年11月以降増減を繰り返しています。また
、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量の増加や、火口西側斜面の割れ目におい
て噴気や地熱域が認められるなど、火山活動がわずかに高まった状態となっ
ています。今後の火山情報に注意してください。
 
 火口直下を震源とする火山性地震の回数は以下のとおりです。なお、回数
は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震
  8月 7日       27回
     8日        4回
     9日       11回
    10日15時まで  37回

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕
流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概
ね2kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、14日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。