火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第60号
令和2年7月3日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 6月29日から7月3日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします
。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、火山活動のわずかに高まった状態が継続しています。
 
 火口直下を震源とする火山性地震は6月29日に一時的に増加しましたが
、以降は概ね少ない状態で経過しています。地殻変動観測に特段の変化はみ
られていないことから、現在のところ規模の大きな噴火に至る可能性は低い
と考えられます。
 
 7月1日に山麓で実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出
量が1日あたり300トン(前回5月27日、200トン)でした。
 
 火山性地震の回数は2019年11月以降増減を繰り返しています。また
、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量の増加や、火口西側斜面の割れ目におい
て噴気や地熱域が認められるなど、火山活動がわずかに高まった状態となっ
ています。今後の情報に留意してください。
 
 火口直下を震源とする火山性地震の回数は以下のとおりです。火山性微動
は観測されていません。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更
することがあります。
 
            火山性地震
  6月29日       84回
    30日       10回
  7月 1日        7回
     2日        4回
     3日15時まで   7回

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕
流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概
ね2kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、6日(月)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。