火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第55号
令和2年6月18日16時15分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 山体膨張を示すわずかな地殻変動が本日(18日)も引き続きみられてい
ます。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や
小規模な火砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、島内に設置している傾斜計及び伸縮計で11日05時頃から観
測されている山体膨張を示すわずかな地殻変動が、本日(18日)も引き続
きみられています。
 
 この山体膨張が一度に解消されるような噴火が発生すると、多量の噴煙を
伴った噴火や爆発規模の大きな噴火が発生する可能性があります。今後の情
報に留意してください。
 
 桜島では、昨日(17日)以降、噴火は観測されていません。火山性地震
は少ない状態で経過しています。火山性微動が時々発生しました。
 
 桜島では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量が長期的に多い
状態であることや姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマ供給
が継続していることから、今後も噴火活動が継続する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、19日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。