火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第51号
令和2年6月12日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 6月8日から12日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南岳
山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火
砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 南岳山頂火口では、今期間、噴火が5回発生し、このうち4回が爆発でし
た。10日11時19分の爆発では、噴煙は火口縁上3200mまで上がり
、弾道を描いて飛散する大きな噴石は4合目(南岳山頂火口より1300m
から1700m)まで達しました。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。噴火に伴う火山性微動が発生
しました。
 
 桜島では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量が長期的に多い
状態であることや、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマ供
給が継続していることから、今後も噴火活動が継続する可能性があります。
 
 8日からの火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおりです。な
お、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
           火山性地震 火山性微動   爆発
  6月 8日      11回   72回   2回
     9日      12回   37回   1回
    10日       7回   26回   1回
    11日       2回    1回   0回
    12日15時まで  3回    0回   0回

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、15日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。