火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第44号
令和2年5月29日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 5月25日から29日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南
岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な
火砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 南岳山頂火口では、噴火が21回発生し、このうち3回が爆発でした。こ
のうち27日13時23分の噴火では、噴煙は火口縁上3000mまで上が
りました。弾道を描いて飛散する大きな噴石は最大で6合目(南岳山頂火口
より800mから1100m)まで達しました。また、同火口では、夜間に
高感度の監視カメラで火映を観測しました。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。振幅の小さな火山性微動が時
々発生しています。
 
 桜島では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量が多い状態であ
ることや、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマ供給が継続
していることから、今後も噴火活動が継続する可能性があります。
 
 25日からの火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおりです。
なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
           火山性地震 火山性微動   爆発
  5月25日      16回   36回   1回
    26日      15回   31回   2回
    27日       6回    6回   0回
    28日      13回    0回   0回
    29日15時まで  2回    0回   0回

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、6月1日(月)16時頃に発表の予
定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。