火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第29号
令和2年4月10日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 中岳第一火口では、本日(10日)15時現在も噴火が継続しています。
6日以降、灰白色の噴煙が最高で火口縁上1100mまで上がりました。風
下側では降灰が確認されています。
 
 7日及び10日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出
量はそれぞれ1日あたり1700トン、1500トンと多い状態で経過して
います。
 
 昨日(9日)22時39分にわずかな傾斜変動を伴う火山性地震が発生し
、噴煙が火口縁上600mまで上がりました。その後の観測データに特段の
変化はみられず、火山性微動の振幅は概ね小さい状態で経過しています。
 
 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千
里を挟む基線の伸びは停滞しています。
 
 現在も噴火活動が継続しています。今後の火山情報に注意してください。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。また、火山ガスに注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、13日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。