火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第26号
令和2年3月27日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 3月23日から27日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南
岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な
火砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 南岳山頂火口では、噴火が15回発生し、このうち3回が爆発でした。噴
煙は最高で火口縁上2300mまで上がりました。弾道を描いて飛散する大
きな噴石は最大で6合目(南岳山頂火口より800mから1100m)まで
達しました。また、同火口では、高感度の監視カメラで夜間に火映を観測し
ました。
 火口直下の火山性地震は少ない状態で経過しました。噴火に伴う火山性微
動が発生しました。
 
 3月23日からの火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおりで
す。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります
。
 
            火山性地震 火山性微動   爆発
  3月23日       20回   49回   0回
    24日       23回   27回   1回
    25日       29回   44回   2回
    26日       33回   30回   0回
    27日15時まで  24回    5回   0回

 島内に設置している傾斜計及び伸縮計では、山体の隆起・膨張を示すゆる
やかな変動がみられています。また、GNSS連続観測では、2019年9
月頃から桜島島内の基線のわずかな伸びが認められています。これらのこと
から、桜島では今後も噴火活動が継続する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、30日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。