火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第15号
令和2年2月21日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 火山性微動の振幅は、消長を繰り返しながら、大きな状態で経過していま
す。中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散
する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 中岳第一火口で1月7日に発生した噴火は、本日(2月21日)15時現
在も継続しています。17日以降、灰白色の噴煙が最高で火口縁上1700
mまで上がりました。風下側では降灰が確認されています。また、期間をと
おして夜間に火映(高感度の草千里監視カメラによる)を観測しました。
 
 火山性微動の振幅は、消長を繰り返しながら、大きな状態で経過していま
す。
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、19日及び20日に実施した現地調
査では、1日あたり2200トン、2900トンと引き続き多い状態が続い
ています。
 
 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千
里を挟む基線の伸びは鈍化していますが、2018年後半頃からの伸びの傾
向は維持されています。
 
 このように、火山活動の高まった状態が続いています。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。また、火山ガスに注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、25日(火)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。