火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第131号
令和元年12月27日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 中岳第一火口で10月7日に発生した噴火は、本日(27日)15時現在
も継続しています。12月23日以降、噴煙は最高で火口縁上900mまで
上がりました。風下側では降灰が確認されています。
 
 23日以降、火映(高感度の草千里監視カメラによる)を時々観測しまし
た。

 火山性微動の振幅はやや大きい状態で経過していますが、一時的に更に大
きくなるなど変動を繰り返しています。また、振幅のやや大きな火山性地震
が時々発生しています。
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、23日、24日及び本日実施した現
地調査では、2600から5800トンと非常に多い状態で経過しています
。
 
 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千
里を挟む基線において、2014年頃からの伸びの傾向が維持されています
。
 
 このように、現在も火山活動の高まった状態が続いています。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。また、火山ガスに注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、30日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。