火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第130号
令和元年12月23日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 中岳第一火口で10月7日に発生した噴火は、本日(23日)15時現在
も継続しています。12月20日以降、噴煙は最高で火口縁上900mまで
上がりました。風下側では降灰が確認されています。
 
 23日明け方には、火映(高感度の草千里監視カメラによる)を観測しま
した。火映を観測したのは、11月5日以来です。

 火山性微動の振幅は、やや大きい状態で経過していますが、一時的に大き
い状態になるなど変動を繰り返しています。昨日(22日)以降、時々、振
幅のやや大きな火山性地震が発生しています。
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は非常に多い状態で経過しています。本
日実施した現地調査では、1日あたりの放出量は3000トンでした。
 
 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千
里を挟む基線において、2014年頃からの伸びの傾向が維持されています
。
 
 このように、現在も火山活動の高まった状態が続いています。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。また、火山ガスに注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、27日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。