火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第28号
令和元年11月19日16時30分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 本日(19日)実施した気象庁機動調査班(JMA-MOT)の現地調査
の結果をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 本日(19日)気象庁機動調査班(JMAーMOT)が韓国岳山頂から実
施した現地調査では、新燃岳火口内の噴煙の状況や、火口及び西側斜面の割
れ目付近の地熱域の状況に特段の変化は認められませんでした。

 17日19時から18日17時にかけて火口直下を震源とする火山性地震
が増加しましたが、その後は少ない状態で経過しています。火山性微動は観
測されていません。
 傾斜計の観測データに特段の変化は認められません。

 11月16日からの火山性地震の回数は以下のとおりです。なお、回数は
速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震
 16日           1回
 17日          12回
 18日          18回
 19日15時まで      2回
 
 国土地理院によるGNSS連続観測では、霧島山を挟む基線に2019年
10月頃からわずかな伸びの傾向がみられます。

 新燃岳では、火山性地震が一時的に増加し、火山活動が高まった状態とな
っていることから、今後の情報に留意してください。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕
流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概
ね2kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、20日(水)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。