火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第92号
令和元年10月28日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 10月25日から28日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。
南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模
な火砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 南岳山頂火口では、噴火が2回発生し、噴煙はいずれも火口縁上1200
mまで上がりました。また、同火口では、期間を通じて夜間に高感度の監視
カメラで火映を観測しました。
  
 島内に設置している傾斜計及び伸縮計では、桜島の隆起・膨張を示すゆる
やかな変動がみられています。

 25日に、海上自衛隊第1航空群の協力により実施した上空からの観測で
は、昭和火口から白色の噴気がわずかに上がるのを確認しました。南岳山頂
火口では、噴煙に覆われて火口内の状況は確認できませんでした。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は昨日(27日)
13時頃から断続的に発生しています。
 
 10月25日からの火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおり
です。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがありま
す。
 
            火山性地震 火山性微動   爆発
 10月25日       14回    0回   0回
    26日       10回    0回   0回
    27日       17回    5回   0回
    28日15時まで  15回    2回   0回
 
 桜島では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量が多い状態であ
ることや山体膨張と考えられる地殻変動がみられていることから、今後も活
発な噴火活動が継続する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、11月1日(金)16時頃に発表の
予定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。