火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第89号
令和元年10月18日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 10月15日から18日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。
南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模
な火砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 
 南岳山頂火口では、噴火が10回発生し、このうち7回が爆発でした。噴
煙は最高で火口縁上3000mまで上がり、弾道を描いて飛散する大きな噴
石は最大で6合目(南岳山頂火口より800mから1100m)まで達しま
した。また、同火口では、夜間に時々高感度の監視カメラで火映を観測しま
した。
 
 10月15日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量
は1日あたり2800トンと前回(10月11日、2100トン)と同様に
多い状態でした。
 
 島内に設置している傾斜計及び伸縮計では、桜島島内の隆起・膨張を示す
ゆるやかな変動がみられています。
 
 火口付近の火山性地震は、少ない状態で経過しています。おもに噴火に伴
う火山性微動が観測されています。
 
 10月15日からの火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおり
です。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがありま
す。
 
            火山性地震 火山性微動   爆発
 10月15日       21回    7回   2回
    16日       17回   16回   2回
    17日       49回   46回   0回
    18日15時まで  29回   11回   3回
 
 桜島では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量が多い状態であ
ることや山体膨張と考えられる地殻変動がみられていることから、今後も活
発な噴火活動が継続する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、21日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。