火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第107号 令和元年10月18日16時00分 福岡管区気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 火山性微動の振幅は大きい状態、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は非常 に多い状態で経過しています。中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴 火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に引き続き警戒してく ださい。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 中岳第一火口で10月7日に発生した噴火は、本日(18日)15時現在 も継続しています。15日以降、噴煙は最高で火口縁上1100mまで上が りました。阿蘇火山博物館提供の火口カメラによると、17日夜に中岳第一 火口内で、噴石が一時的に火孔周辺へ噴出しました。風下側では降灰が確認 されており、熊本地方気象台でも15日から17日に降灰が確認されました 。 火山性微動の振幅は、変動を繰り返しながら大きい状態で経過しています 。孤立型微動及び火山性地震の回数は引き続き多い状態で経過し、時々振幅 のやや大きな地震が発生しています。 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、15日及び16日に実施した現地調 査では、1日あたりそれぞれ4500トン、4200トンと、非常に多い状 態で経過しています。 夜間には、火映(高感度の草千里監視カメラによる)を観測しています。 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千 里を挟む基線において、長期的には2014年頃から伸びの傾向が維持され ていますが、直近では9月上旬から縮みの傾向がみられます。 このように、火山活動の高まった状態が続いています。 2.防災上の警戒事項等 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。また、火山ガスに注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、21日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。