火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第103号
令和元年10月4日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 中岳第一火口では、9月10日に発生した噴火が、本日(10月4日)1
5時現在も継続しています。9月30日以降、噴煙は最高で火口縁上130
0mまで上がり、風下側では降灰が確認されています。
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、10月2日及び4日に実施した現地
調査では、1日あたりそれぞれ3500トン、1600トンでした。9月1
0日の噴火以降は概ね多い状態で経過しています。
 
 火山性微動の振幅は、10月2日夜からやや大きい状態で経過しています
。孤立型微動及び火山性地震の回数は引き続き多い状態で経過し、時々振幅
のやや大きな地震が発生しています。
 
 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千
里を挟む基線において、長期的には緩やかな伸びが継続していますが、短期
的には9月上旬から縮みの傾向がみられます。
 
 このように、火山活動の高まった状態が続いています。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。また、火山ガスに注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、7日(月)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。