火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第73号
令和元年9月6日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 9月2日から9月6日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南
岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な
火砕流を伴う噴火が発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 南岳山頂火口では、3日15時49分に爆発が発生しました。噴煙は火口
縁上1900mまで上がり、弾道を描いて飛散する大きな噴石は最大で7合
目(南岳山頂火口より600mから900m)まで達しました。また、同火
口では、夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。
 
 4日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あ
たり1100トンと前回の観測(8月13日、1000トン)と同程度でし
た。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。継続時間の短い火山性微動が
発生しました。
 
 9月2日からの火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおりです
。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震 火山性微動   爆発
  9月 2日        3回    0回   0回
     3日        7回    0回   1回
     4日        3回    0回   0回
     5日        9回    0回   0回
     6日15時まで   0回    4回   0回
 
 桜島では、4日22時頃から山体の膨張と考えられるわずかな地殻変動が
観測されており、大きな噴石や小規模な火砕流を伴う噴火が発生するおそれ
があります。

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、9日(月)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。