火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第95号
令和元年9月6日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 中岳第一火口では、8月29日に発生した噴火が、本日(9月6日)15
時現在も継続しています。9月2日から本日にかけては、火山灰を含む噴煙
が、主に火口の北西から北方向に流れるのを観測しました。大きな噴石や火
砕流、空振は観測されていません。
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、2日に実施した現地調査で1日あた
り800トンと一時的に減少しましたが、その後は1100トンから250
0トンとやや多い状態で経過しています。
 
 火山性微動の振幅は、一時的にやや大きくなるなど変動を繰り返していま
す。孤立型微動及び火山性地震は引き続き多い状態で経過しています。
 
 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千
里を挟む基線で、3月頃から緩やかな伸びの傾向がみられます。
 
 このように、火山活動の高まった状態が続いています。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。また、火山ガスに注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、9日(月)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。