火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第91号
令和元年8月23日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 中岳第一火口で8月18日16時27分に発生した噴火は、本日(8月2
3日)14時00分まで続きました。期間中、火山灰を含む噴煙が主に火口
の北西から北方向に流れるのを観測しました。なお、この噴火に伴う大きな
噴石や火砕流、空振は観測されていません。

 21日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、1
日あたり1800トンとやや多い状態でした。
 
 火山性微動の振幅は、概ね小さい状態で経過していますが、孤立型微動及
び火山性地震は引き続き多い状態で経過し、時々振幅のやや大きな地震が発
生しています。

 夜間には、中岳第一火口の火口底で赤熱(阿蘇火山博物館提供の火口カメ
ラによる)を観測しています。

 GNSS連続観測では、6月頃から停滞していた草千里を挟む基線は、わ
ずかな伸びの傾向に変化した可能性があります。

 このように、火山活動の高まった状態が続いており、再び噴火が発生する
可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。また、火山ガスに注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、26日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。