火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第85号
令和元年8月2日16時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 中岳第一火口では、7月28日04時42分頃に発生した噴火が、本日(
8月2日)15時現在も継続しています。中岳第一火口から概ね1kmの範
囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒して
ください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 中岳第一火口では、7月28日04時42分頃に発生した噴火が、本日1
5時現在も継続しています。噴火開始以後、灰白色の噴煙が8月1日に最高
で火口縁上1300mまで上がっています。7月31日に実施した現地調査
において、高温の灰白色の噴煙が中岳第一火口の中央付近から噴出している
のを確認しています。なお、この噴火に伴う大きな噴石や火砕流、空振は観
測されていません。
 夜間には、火映(高感度の草千里監視カメラによる)や火口底での火炎現
象(阿蘇火山博物館提供の火口カメラによる)を観測しています。

 7月29日、30日および本日実施した現地調査では、火山ガス(二酸化
硫黄)の放出量は1日あたり2700トンから4300トンと非常に多い状
態が続いています。

 火山性微動の振幅は、概ね小さい状態で経過していますが、時々やや大き
くなるなど変動を繰り返しています。孤立型微動及び火山性地震は引き続き
多い状態が続いています。

 GNSS連続観測では、草千里を挟む基線で続いていたわずかな伸びは、
6月頃から停滞しています。

 火山活動が高まっていますので、中岳第一火口から概ね1kmの範囲に影
響を及ぼす噴火の可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。また、火山ガスに注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、5日(月)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。