火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第84号 令和元年7月29日16時00分 福岡管区気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 中岳第一火口では、昨日(28日)04時42分頃に噴火が発生し、本日 (29日)15時現在も継続しています。中岳第一火口から概ね1kmの範 囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒して ください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 中岳第一火口では、昨日04時42分頃に噴火が発生し、灰白色の噴煙が 最高で火口縁上1200mまで上がりました。本日15時現在も噴火が継続 しており、噴煙は北東から北へ流れています。 この噴火に伴う大きな噴石や火砕流、空振は観測されていません。 本日実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あた り4300トンと非常に多い状態が続いています。 火山性微動の振幅は、昨日未明から朝にかけてやや大きくなりましたが、 その後は小さな状態で経過しています。孤立型微動及び火山性地震は引き続 き多い状態が続いています。 GNSS連続観測では、草千里を挟む基線で続いていたわずかな伸びは、 6月頃から鈍化または停滞の傾向を示しています。 火山活動が高まっていますので、中岳第一火口から概ね1kmの範囲に影 響を及ぼす噴火の可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。また、火山ガスに注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、8月2日(金)16時頃に発表の予 定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。