火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第58号
令和元年7月19日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 7月16日から7月19日15時までの桜島の活動状況をお知らせします
。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規
模な火砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、噴火活動が続いています。
 
 南岳山頂火口では、19日03時56分に爆発が発生し、噴煙は火口縁上
600mまで上がりました。弾道を描いて飛散する大きな噴石は6合目(南
岳山頂火口より800mから1100m)まで達しました。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。継続時間の短い火山性微動が
発生しました。
 
 17日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日
あたり1200トン(前回6月10日、700トン)とやや多い状態でした
。
 
 7月16日からの火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおりで
す。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります
。
 
            火山性地震 火山性微動   爆発
  7月16日        9回    0回   0回
    17日        3回    0回   0回
    18日        0回    0回   0回
    19日15時まで   5回    1回   1回
 
 GNSS連続観測では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張
を示す基線の伸びは停滞していますが、長期にわたり供給されたマグマが蓄
積した状態です。

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、22日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。