火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第76号 令和元年7月5日16時00分 福岡管区気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 中岳第一火口では、小規模な噴火の可能性があります。中岳第一火口から 概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火 砕流に警戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 本日(5日)に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量 は、1日あたり1300トンで、やや多い状態でした。 中岳第一火口では、阿蘇火山博物館提供の火口カメラで4日及び5日にご く小規模な土砂噴出を確認しました。天候不良のため、火映等は確認できま せんでしたが、引き続き熱活動の高まった状態が続いていると考えられます 。 孤立型微動及び火山性地震は多く、時々、振幅がやや大きい地震も発生し ています。火山性微動の平均振幅は小さな状態で経過しています。 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千 里を挟む基線で、わずかな伸びの傾向が続いています。 以上のように、火山活動の高まった状態が続いています。引き続き、中岳 第一火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。また、火山ガスに注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、8日(月)16時頃に発表の予定で す。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。