火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第51号
平成31年4月19日16時50分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 中岳第一火口では、小規模な噴火の可能性があります。中岳第一火口から
概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火
砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 中岳第一火口では、16日にごく小規模な噴火が発生しました。その後、
本日(19日)08時24分に再びごく小規模な噴火が発生し、噴煙は火口
縁上500mまで達しました。その後、噴火は観測していません。17日か
ら本日15時までの期間、白色の噴煙が最高で火口縁上1000mまで上が
りました。

 本日、九州地方整備局の協力により実施した上空からの観測では、中岳第
一火口内の一部に湯だまりを確認しました。また、観測中は火山ガスによる
弱い臭気が認められました。

 阿蘇火山博物館提供の高感度の火口カメラによると、湯だまりの減少が続
いている中岳第一火口では、夜間に火口底の一部が赤く見える赤熱を時々観
測しました。火口底で赤熱が観測されたのは、2014年7月以来です。
 
 昨日(18日)実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量
は、1日あたり2700トンと多い状態が続いています。

 火山性微動の振幅は、14日以降変動を繰り返していましたが、17日1
5時頃からは小さな状態で経過しています。
 
 孤立型微動、火山性地震は多い状態で経過しています。
 
 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千
里を挟む基線で、わずかな伸びの傾向が認められます。
 
 火山活動が高まっていますので、中岳第一火口から概ね1kmの範囲に影
響を及ぼす噴火の可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。また、火山ガスに注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、22日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。