火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第44号
平成31年4月5日16時15分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)が継続>
3月29日から4月5日15時までの阿蘇山の活動状況をお知らせします。
阿蘇山では、火山活動が緩やかに高まる傾向がみられますので、今後の情報
に注意してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 4月4日に実施した現地調査では、中岳第一火口の湯だまり量の減少が続
いています。湯だまり量は火口底の3割で、前回(3月27日、5割)から
減少しました。赤外熱映像装置による観測では、湯だまり表面の最高温度は
約82℃(前回3月27日、約84℃)と高い状態が続いています。また、
高さ数mの土砂噴出を確認しました。 
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、4月1日以降の現地調査では、1日
あたり1700トンから2600トンと概ねやや多い状態が続いています。
 
 3月29日から本日(4月5日)15時までの期間、白色の噴煙が火口縁
上1200mまで上がりました。また、3日夜間に高感度の監視カメラで火
映を観測しました。
 
 火山性微動の振幅は小さい状態で経過しています。孤立型微動、火山性地
震は多い状態で経過しています。
 
 地殻変動観測では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は概ねやや多い状態であり、現地調査で
は、湯だまり量の減少や土砂噴出が観測されています。火山活動は緩やかに
高まる傾向がみられており、今後も火口内で土砂が噴出することがあります
ので、今後の情報に注意してください。

2.防災上の警戒事項等
 火口内で土砂や火山灰が突発的に噴出することがありますので注意してく
ださい。また、火口付近では火山ガスに注意してください。
 地元自治体等が行う立ち入り規制等に留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、12日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。