火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情
報 第22号
平成31年3月18日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 3月15日から3月18日15時までの硫黄山の活動状況をお知らせしま
す。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 硫黄山では、火山活動が高まった状態が継続しています。
 
 硫黄山の南側の噴気地帯では、噴気が100mまで上がるなど活発な噴気
・熱泥噴出活動が続いています。また、硫黄山の西側500m付近では、噴
気が50mまで上がりました。硫黄山南監視カメラでは、引き続き硫黄山の
南側の湯だまりを確認しています。
 
 硫黄山付近では、火山性地震は少ない状態で経過しています。浅い所を震
源とする低周波地震が時々発生しています。火山性微動は観測されていませ
ん。また、硫黄山周辺でも火山性地震が時々発生しています。
 
 3月15日からの硫黄山付近の火山性地震(ごく微小な地震を含む)、火
山性微動の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結
果、後日変更することがあります。
 
           火山性地震       火山性微動
  3月15日       9回 ( 8回)    0回
    16日       7回 ( 3回)    0回
    17日       5回 ( 1回)    0回
    18日15時まで  1回 ( 0回)    0回
                 ()内はごく微小な地震
 
 GNSS連続観測では、硫黄山近傍の基線で伸びの傾向が1月頃から鈍化
もしくは停滞しています。また、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示す
と考えられる基線の伸びは鈍化しているものの継続しており、火山活動の長
期化も考えられます。
 
 硫黄山では、火山活動が高まった状態が継続しており、ごく小規模な噴火
の可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、22日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。