火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情
報 第1号
平成31年1月4日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 平成30年12月31日から平成31年1月4日15時までの硫黄山の活
動状況をお知らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 硫黄山では、火山活動がやや高まった状態が継続しています。
 
 硫黄山の南側の噴気地帯では、噴気が200mまで上がるなど活発な噴気
・熱泥噴出活動が続いています。また、硫黄山の西側500m付近では、噴
気が50mまで上がりました。硫黄山南監視カメラでは、引き続き硫黄山の
南側の湯だまりを確認しています。
 
 硫黄山付近では、1月2日以降、火山性地震がやや多い状態となっていま
す。浅い所を震源とする低周波地震も引き続き発生しています。火山性微動
は観測されていません。また、硫黄山周辺でも火山性地震が時々発生してい
ます。
 
 12月31日からの硫黄山付近の火山性地震(ごく微小な地震を含む)、
火山性微動の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の
結果、後日変更することがあります。
 
           火山性地震       火山性微動
 12月31日       6回 ( 3回)    0回
  1月 1日       9回 ( 8回)    0回
     2日      20回 (14回)    0回
     3日      11回 (10回)    0回
     4日15時まで 23回 (17回)    0回
                 ()内はごく微小な地震
 
 GNSS連続観測では、硫黄山近傍の基線で伸びの傾向が続いています。
また、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考えられる基線の伸びは
鈍化しているものの継続しており、火山活動の長期化も考えられます。
 
 硫黄山では、火山活動がやや高まった状態が継続しており、ごく小規模な
噴火の可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、7日(月)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。