火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第131号
平成30年10月26日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 10月22日から10月26日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせ
します。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、火山活動がやや高まった状態が継続しています。
 火口直下を震源とする火山性地震は多い状態で経過していましたが、24
日からは少ない状態となりました。23日に振幅の小さな継続時間の短い火
山性微動が発生しました。
 
 22日に、海上自衛隊第1航空群の協力により実施した上空からの観測で
は、火口内の中央部や縁辺部の一部から引き続き白色の噴煙が上がっている
ことを観測しました。

 白色の噴煙が火口縁上概ね100m以下で経過しました。
 
 傾斜計の観測データに特段の変化は認められません。
 
 10月22日からの火山性地震、火山性微動の回数は以下のとおりです。
なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震 火山性微動
 10月22日       36回    0回
    23日       39回    1回
    24日        8回    0回
    25日        5回    0回
    26日15時まで   5回    0回
 
 GNSS連続観測では、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考え
られる基線の伸びは継続しており、火山活動の長期化やさらなる活発化の可
能性もあります。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕
流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概
ね2kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。また、地元自治体
等が発表する火山ガスの情報にも留意してください。
 なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性があり
ますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、29日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。