火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第128号
平成30年10月15日16時15分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 10月12日から10月15日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせ
します。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、火山活動がやや高まった状態が継続しています。

 火口直下を震源とする火山性地震が、12日に一時的に増加し、その後概
ねやや多い状態で経過しました。また、浅い所を震源とする低周波地震が時
々発生しています。12日及び14日に振幅の小さな継続時間の短い火山性
微動が発生しました。
 
 12日に韓国岳から実施した現地調査では、引き続き火口内を覆う溶岩の
中心部及び縁辺部の一部で白色の噴気が上がっているのを確認し、中心部や
東側で温度の高い領域が認められました。
 13日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日
あたり50トン(前回9月26日、60トン)と少ない状態でした。
 
 白色の噴煙が火口縁上概ね100m以下で経過し、最高で300mまで上
がりました。
 
 傾斜計の観測データに特段の変化は認められません。
 
 10月12日からの火山性地震、火山性微動の回数は以下のとおりです。
なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震 火山性微動
 10月12日       66回    1回
    13日       19回    0回
    14日        6回    1回
    15日15時まで  13回    0回
 
 GNSS連続観測では、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考え
られる基線の伸びは継続しており、火山活動の長期化やさらなる活発化の可
能性もあります。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕
流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概
ね2kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。また、地元自治体
等が発表する火山ガスの情報にも留意してください。
 なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性があり
ますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、19日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。