火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情
報 第79号
平成30年9月10日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 9月7日から9月10日15時までの硫黄山の活動状況をお知らせします
。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 硫黄山の南側の火孔では、噴煙が200mまで上がるなど活発な噴気活動
が続いています。また、硫黄山の南側の湯だまりは、8月下旬から縮小して
いましたが、7日に再び拡大し、縮小する前の状態に戻っていることを硫黄
山南監視カメラで確認しています。
 
 GNSS連続観測では、硫黄山近傍の基線で、6月上旬から伸びの傾向が
続いています。また、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考えられ
る基線の伸びは継続しており、火山活動の長期化やさらなる活発化の可能性
もあります。
 
 火山性地震は概ね少ない状態で経過しています。浅い所を震源とする低周
波地震は引き続き発生しています。火山性微動は観測されていません。
 
 9月7日からの火山性地震(ごく微小な地震を含む)、火山性微動の回数
は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更す
ることがあります。
 
           火山性地震       火山性微動
  9月 7日      14回 ( 9回)    0回
     8日       6回 ( 3回)    0回
     9日       8回 ( 2回)    0回
    10日15時まで  8回 ( 5回)    0回
                 ()内はごく微小な地震
 
 硫黄山では、火山活動がやや高まった状態が継続しており、ごく小規模な
噴火の可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、14日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。