火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第118号
平成30年9月10日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 9月7日から9月10日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします
。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、火山活動がやや高まった状態が継続しています。

 火口直下を震源とする火山性地震は、5日以降は少ない状態で経過してい
ましたが、昨日(9日)から増加しています。また、浅い所を震源とする低
周波地震が時々発生しています。
 7日17時頃から8日11時頃にかけて、振幅の小さな火山性微動が断続
的に発生しましたが、傾斜計には特段の変動はみられませんでした。昨日ま
で噴煙などの状況は天候不良のため不明でしたが、本日(10日)は白色の
噴煙が最高で火口縁上400mまで上がりました。
 
 9月7日からの火山性地震、火山性微動の回数は以下のとおりです。なお
、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震 火山性微動
  9月 7日        0回    5回
     8日        7回    4回
     9日       41回    0回
    10日15時まで   8回    0回
 
 GNSS連続観測では、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考え
られる基線の伸びは継続しており、火山活動の長期化やさらなる活発化の可
能性もあります。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕
流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概
ね2kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。また、地元自治体
等が発表する火山ガスの情報にも留意してください。
 なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性があり
ますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、14日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。