火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第71号
平成30年9月7日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 9月3日から9月7日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南
岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な
火砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、噴火活動が続いています。
 
 南岳山頂火口では、爆発的噴火が3回発生しました。噴煙は最高で火口縁
上1700mまで上がりました。また、同火口では夜間に高感度の監視カメ
ラで火映を時々観測しました。
 
 5日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あ
たり1500トン(前回8月27日、1500トン)とやや多い状態でした
。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。また、火山性微動は時々発生
しました。
 
 9月3日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下のとお
りです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあり
ます。
 
            火山性地震 火山性微動 爆発的噴火
  9月 3日        6回    0回    1回
     4日        5回    1回    1回
     5日       12回    2回    1回
     6日        9回    1回    0回
     7日15時まで   1回    0回    0回
 
 GNSS連続観測では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張
を示す基線の伸びは2018年3月頃から停滞しているものの、長期的には
地下深部へのマグマの供給は継続していると考えられます。
 
 桜島では、今後も南岳山頂火口を中心に、噴火活動が継続すると考えられ
ます。

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流
が発生する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、10日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。