火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情
報 第76号
平成30年8月31日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 8月27日から8月31日15時までの硫黄山の活動状況をお知らせしま
す。
 硫黄山では、火山活動がやや高まった状態が継続しています。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 硫黄山の南側の火孔では、白色の噴煙が300mまで上がりました。昨日
(30日)実施した現地調査では、この火孔での活発な噴気活動のほか、硫
黄山周辺の噴気活動も続いていることを確認しました。
 硫黄山南監視カメラでこれまで確認していた硫黄山の南側の湯だまりは、
8月下旬に縮小しています。

 GNSS連続観測では、硫黄山近傍の基線で、6月上旬から伸びの傾向が
続いています。また、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考えられ
る基線の伸びは緩やかに継続しており、火山活動の長期化やさらなる活発化
の可能性もあります。

 火山性地震は概ねやや多い状態で経過しています。浅い所を震源とする低
周波地震は引き続き発生しています。火山性微動は観測されていません。

 8月27日からの火山性地震(ごく微小な地震を含む)、火山性微動の回
数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更
することがあります。

           火山性地震       火山性微動
  8月27日      15回 ( 8回)    0回
    28日      14回 ( 9回)    0回
    29日      13回 ( 7回)    0回
    30日      11回 ( 8回)    0回
    31日15時まで  8回 ( 5回)    0回
                 ()内はごく微小な地震

 硫黄山では、火山活動がやや高まった状態が継続しており、ごく小規模な
噴火の可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、9月3日(月)16時頃に発表の予
定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。