火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第114号
平成30年8月31日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 8月27日から8月31日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせしま
す。
 新燃岳では、火山活動がやや高まった状態が継続しています。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、26日に新燃岳火口直下を震源とする火山性地震が増加しま
したが、その後は減少し、概ねやや多い状態で経過しています。また、浅い
所を震源とする低周波地震が時々発生しています。
 振幅の小さな継続時間の短い火山性微動が時々発生しています。
 
 30日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日
あたり80トン(前回8月7日、100トン)と少ない状態でした。
 
 白色の噴煙が火口縁上概ね100m以下で経過し、最高で600mまで上
がりました。
 
 傾斜計の観測データに特段の変化は認められません。
 
 8月27日からの火山性地震、火山性微動の回数は以下のとおりです。な
お、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震 火山性微動
  8月27日       31回    1回
    28日       42回    1回
    29日       13回    1回
    30日       18回    0回
    31日15時まで  12回    1回
  
 GNSS連続観測では、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考え
られる基線の伸びは緩やかに継続しており、火山活動の長期化やさらなる活
発化の可能性もあります。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕
流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概
ね2kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。また、地元自治体
等が発表する火山ガスの情報にも留意してください。
 なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性があり
ますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、9月3日(月)16時頃に発表の予
定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。