火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報(臨時) 第64号
平成30年8月10日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 口永良部島では、8日11時頃から20時頃にかけて火山性地震が一時的
に増加しました。今後の火山情報に注意してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 口永良部島では、8日11時頃から20時頃にかけて火山性地震が一時的
に増加しましたが、その後減少しました。

 9日及び10日に東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所、屋
久島町及び気象庁が実施した観測では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は
、1日あたり最大900トン(前回8月8日、400トン)と多い状態です
。

 8月6日からの火山性地震の回数及び火山ガス(二酸化硫黄)の1日あた
りの放出量は以下のとおりです。なお、地震回数は速報値であり、精査の結
果、後日変更することがあります。

            火山性地震 火山ガス(二酸化硫黄)
 8月 6日        14回      500トン
    7日        13回      400トン
    8日        36回      400トン
    9日         8回      600トン
   10日15時まで   15回      900トン

 9日から10日に気象庁機動調査班(JMAーMOT)が実施した現地調
査でも、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が増加していることを確認しまし
た。噴煙及び熱異常域の状況に特段の変化は認められませんでした。

 火山性地震が一時的に増加し、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も増加し
ていることから、火山活動がやや高まった状態となっています。これまでも
火山性地震の増減を繰り返していますので、今後の火山情報に注意してくだ
さい。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、新岳火口から西側の概ね2
kmの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけではなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降る
おそれがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、11日(土)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。