火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情
報 第65号
平成30年7月23日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 7月20日から7月23日15時までの硫黄山の活動状況をお知らせしま
す。火山性地震は多い状態で経過しており、低周波地震の規模がやや増大す
る傾向がみられます。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 火山性地震は、6月上旬頃から徐々に増加し、7月17日以降は多い状態
で経過しています。また、浅い所を震源とする低周波地震も引き続き発生し
ており、7月18日以降規模がやや増大する傾向がみられます。火山性微動
は観測されていません。

 硫黄山の南側の火孔では、白色の噴煙が最高で500mまで上がるなど活
発な噴気活動が続いています。また、硫黄山南監視カメラで、引き続き硫黄
山の南側の湯だまりを確認しました。

 GNSS連続観測では、硫黄山近傍の基線で、6月上旬から伸びの傾向が
続いています。霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考えられる基線
の伸びは、一部の基線で鈍化しているものの継続しており、火山活動の長期
化やさらなる活発化の可能性もあります。

 7月20日からの火山性地震(ごく微小な地震を含む)、火山性微動の回
数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更
することがあります。

           火山性地震       火山性微動
  7月20日      47回 (31回)    0回
    21日      34回 (23回)    0回
    22日      47回 (31回)    0回
    23日15時まで 26回 (14回)    0回
                 ()内はごく微小な地震

 硫黄山では、火山活動がやや高まっており、ごく小規模な噴火の可能性が
あります。

2.防災上の警戒事項等
 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、27日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。