火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第92号
平成30年6月25日16時05分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 6月22日から6月25日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせしま
す。
 22日09時09分に爆発的噴火が発生しましたが、警戒事項に変更はあ
りません。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、22日09時09分に爆発的噴火が発生しました。噴煙は火
口縁上2600mまで上がり、弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口の中
心から1100mまで達しました。23日以降、噴火は観測されていません
。

 新燃岳火口直下を震源とする火山性地震が、22日の爆発的噴火の発生前
後には急増しました。23日以降減少しているものの、概ね多い状態で経過
しています。浅い所を震源とする低周波地震も時々発生しています。
 火山性微動は観測されていません。
 
 6月22日からの火山性地震、火山性微動の回数は以下のとおりです。な
お、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震 火山性微動
  6月22日      121回    0回
    23日       41回    0回
    24日       23回    0回
    25日15時まで   2回    0回

 高千穂河原観測点の傾斜計では、新燃岳の明瞭な山体膨張を示す変動は認
められません。
 GNSS連続観測では、霧島山を挟む基線で、3月中旬以降、霧島山の深
い場所でのマグマの蓄積を示すと考えられる基線の伸びがみられていますが
、5月上旬から一部の基線でその伸びは鈍化しています。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から概ね3kmまで、火砕流が概
ね2kmまで達する可能性があります。そのため、火口から概ね3kmの範
囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。
 2011年と同様に爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れ
るなどのおそれがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。また、地元自治体
等が発表する火山ガスの情報にも留意してください。
 なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性があり
ますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、29日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。