火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情
報 第54号
平成30年6月18日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 6月15日から6月18日15時までの硫黄山の活動状況をお知らせしま
す。
 硫黄山では活発な火山活動が続いています。
 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 硫黄山では、4月27日以降、噴火は観測されていません。
 
 硫黄山の南側の火孔からは、白色の噴煙が最高で100mまで上がるなど
、活発な噴気活動が続いています。
 硫黄山の西側500m付近の噴気の高さは、30m以下で推移しており、
5月下旬頃から噴気活動が低下している状態が続いています。
 硫黄山南監視カメラで確認していた硫黄山の南側の湯だまりは、11日以
降縮小し変化はみられません。
 
 火山性地震は、やや多い状態で経過しています。浅い所を震源とする低周
波地震が時々発生しました。火山性微動は観測されていません。
 
 6月15日からの火山性地震(ごく微小な地震を含む)、火山性微動の回
数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更
することがあります。
 
           火山性地震       火山性微動
  6月15日      15回 (14回)    0回
    16日      14回 (12回)    0回
    17日      10回 ( 6回)    0回
    18日15時まで  5回 ( 5回)    0回
                 ()内はごく微小な地震
 
 GNSS連続観測では、硫黄山近傍の基線で、4月19日の噴火後に山体
の収縮を示す変動がみられていましたが、5月上旬からその変動は停滞して
います。霧島山を挟む基線では、3月中旬以降、霧島山の深い場所でのマグ
マの蓄積を示すと考えられる基線の伸びがみられていましたが、5月上旬か
ら一部の基線でその伸びは鈍化しています。
 
 硫黄山では、活発な火山活動が続いていることから、今後の火山情報に注
意してください。

2.防災上の警戒事項等
 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、22日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。